肉体における不調和の原因と不調の段階

『感覚器官の誤使用』

アーユルヴェーダの考えでは、身体の不調和の根本的な原因として『感覚器官』の使い方に着目します。人間は外的環境の影響を受けながら生活をしています。肉体の健康を維持、促進においても外的要因無しでその実現は不可能です。どのような環境に身を置くのか、どのような環境を選択するるかとても重要です。そして、肉体と環境との接点、肉体の外側にある物質や情報を取り込む入り口が感覚器官です。視覚、臭覚、味覚、聴覚、触覚です。この感覚器官の使い方によって人は、肉体の健康を維持したり、バランスを崩し不調和をきたす要因となります。また、感覚器官をどのように活用するかを判断しようとしている『思考』、心の働きについても不調和の根本的な要因であるとし、アーユルヴェーダでは特に重要としています。

『体内運搬機能の低下』

体内運搬システム機能の低下はトリドーシャを働きを悪化させ、身体の不調の原因となります。この体内運搬システムを担っているのがスロータスです。スロータスとは管のことでからだ全身、細部にわたり存在します。スロータスは生命維持に欠かせない役割を果たし、必要な栄養を運んだり、不要の老廃物を排出するための通路です。また食べたものを消化したりエネルギーに変換するための空間もスロータスです。スロータスに13種類のタイプに分かれおり、其々大きく分けて3つあります。①外的物質を体内に取り込むためのスロータス②組織に栄養を運ぶためのスロータス③老廃物を排出させるためのスロータスです。

①外的物質を体内に取り込むためのスロータス
②組織に栄養を運ぶためのスロータス
③老廃物を排出させるためのスロータス

①には食べ物や入息するときの酸素が含まれます。具体的には、動脈、静脈、リンパ管、神経、食道、小腸、大腸、胃などです。これらスロータスは常に浄化されている状態でなけらばなりません。管に詰まりが生じると運搬が阻害さ必要な栄養が各組織に行き届かなくなり、消化不良を引き起こし健康を維持するためのシステムが機能しなくなります。またそれはれドーシャの乱れとなりドーシャの乱れが更に詰まりを悪化させ、身体に不調をきたします。

『未消化物/アーマ』


アーマとは消化、代謝の過程でできた未消化物です。スロータスの障害物となるものであり体内で毒素として形成します。アーマは体内運搬機能を低下させ、各組織の正常な働きを阻害し、ドーシャのバランスが崩れ不調の根本要因の一つとなります。

アーマの形成は消化、代謝の過程で働く『アグニ』の力の低下によるものであると考えますが、食生活の改善はとても大切です。

冷たい食べ物、飲み物の過剰摂取、重い質の食べ物(カパを多く含むもの)、乾燥した食べ物、食事の時間、昼寝などを控えることでアグニの低下を防ぎ、未消化物を減らします。


アーマを持っていることをSAAMAといいます。

アーマは管を通ってあらゆるところに移動するため、

管にアーマが残ったり、また移動中に各組織(ダートゥ)と

結びつくこともあります。


『アーマの原因①』

『アーマの原因① 』

〜すべてアグニ(消化の火)の異常によってアーマが作られる〜

①食べ物を消化するアグニ

(Jatharaagni mandyajanita Ama)

➁組織を形成・変換するアグニ

(Dhatvaagni  mandyajanita Ama)

③エネルギーの質を保つアグニ

(Bhutaagni  mandyajanita Ama)

『アーマの流れ』

『不調の段階』

アーユルヴェーダでは不調に対するケアの方法としてトリドーシャの状態を確認します。

トリドーシャのアンバランスは未消化物(アーマ)を増やし、体内に蓄積します。また体内に蓄積した老廃物はトリドーシャを乱します。

不調には5段階あり、蓄積、悪化、拡散、定着と進んで最終的に発症につながります。悪化したドーシャは体中に拡散しながら弱っている箇所に定着します。実際に身体の変化として不調を感じるのは拡散から定着の段階です。この段階で放置しケアをせずにいると発症となり明確な症状として身体に現れます。

アーユルヴェーダでは身体の状態がこの5つのどの段階かを知ることで適切な予防、ケアを実施することができます。

 

Dosha Kopa